たすき掛け

ここでは「たすき掛け」を使った因数分解の方法について解説します。いままでの共通因数や公式を使った方法とは違い、このたすき掛けで解く方法は図を使って因数分解をおこないます。

たすき掛けの方法

たすき掛けを使った因数分解では以下のような図を利用します。本来色は必要ありませんが、解説をわかりやすくするため色をつけています。

この図の空欄の部分に数字を埋めていって、埋めた数字で最終的に因数分解の式を作るというのがこのたすき掛けという方法になります。

それでは実際に例題を使いながらたすき掛けで因数分解をおこなう方法を解説していきます。こちらの式を例題にして因数分解をおこなっていきます。

5x2+14x+8

STEP1.
それぞれの項の係数を図に以下のように配置します。元の式とは順番が違うので注意してください。

5
8
14
(x2の係数)
(定数項の係数)
(xの係数)

STEP2.
の積がx2の係数の5になるような組み合わせを考えます。積が5になる組み合わせは以下のとおりです。
1×5, 5×1

STEP3.
STEP2と同じようにの積が定数項の係数の8になるような組み合わせを考えます。STEP2との違いとしてマイナスのパターンも考えます。積が8になる組み合わせは以下のとおりです。
1×8, 2×4, 4×2, 8×1
-1×(-8), -2×(-4), -4×(-2), -8×(-1)

STEP4.
たすき掛けをおこないます。つまりを掛けた数がに、を掛けた数がになります。そしてを足した数がxの係数である14になるような組み合わせを考えます。

1
2
10
5
4
4
5
8
14
(x2の係数)
(定数項の係数)
(xの係数)

組み合わせは上記のようになります。このSTEP4はSTEP2とSTEP3で考えた組み合わせを図に入れていきながら図が成り立つ数を探していく作業になります。

STEP5.
図ができあがったら、以下の式に図の数を当てはめていきます。

(x)(x)

実際に例題で作成した図から式に当てはめると以下のようになります。

(1x+2)(5x+4)

つまり、因数分解した式は「(x+2)(5x+4)」となります。

カッコが逆に「(5x+4)(x+2)」となることもありますがどちらでも正解です。

※因数分解した式を展開してみると元の式に戻ることが確認できます。
(x+2)(5x+4)
=5x2+4x+10x+8
=5x2+14x+8

この方法で解く判断基準

たすき掛けで解く因数分解の判断方法はパッとはわかりにくいですが、基本的には消去法になり共通因数や公式で解けないときにこのたすき掛けを試してみることになります。

練習問題

3x2+11x+6

▼たすき掛けで図を作る

3
2
2
1
3
9
3
6
11
(x2の係数)
(定数項の係数)
(xの係数)

▼式にする
(3x+2)(x+3)

5x2-12x-9

▼たすき掛けで図を作る

1
-3
-15
5
3
3
5
-9
-12
(x2の係数)
(定数項の係数)
(xの係数)

▼式にする
(x-3)(5x+3)

6x2-13x+5

▼たすき掛けで図を作る

2
-1
-3
3
-5
-10
6
5
-13
(x2の係数)
(定数項の係数)
(xの係数)

▼式にする
(2x-1)(3x-5)