共通因数でくくる

因数分解の解き方のなかでも最も基本的な解き方が「共通因数でくくる」です。

共通因数でくくるという解き方は最も基本的な因数分解の解き方ですが、非常によく使われ高度な因数分解でも組み合わせて使われることが多い方法です。

手順

STEP1.
項を分解します。数字は素因数分解、文字は1文字ずつに分解します。

※4x2+6xを因数分解する場合
4x2 2,2,x,x
6x 2,3,x

STEP2.
分解した数字や文字で共通するものを抜き出します。共通して抜き出したものは掛け算でまとめ、残ったものはカッコにいれて項ごとに掛け算でまとめます。

※赤文字が共通している数字や文字
4x2 2,2,x,x
6x 2,3,x

▼共通している数字や文字を抜き出す
2x(2x+3)

これで共通因数でくくる因数分解は完了です。要するに各項を分解し共通している数字や文字を抜き出してまとめるという方法です。因数分解をおこなった式を展開してみると元の式に戻ることがわかるかと思います。

ここではわかりやすく解説するために丁寧にやっていますが、練習問題などをこなしていれば割とパッと解けるようになっていきます。

パターン

ここでは共通因数でくくる因数分解の解き方のいろいろなパターンをご紹介します。パターンを知る事で対応できる問題も増えるので是非学んでおいてほしいと思います。

定数項が含まれる

6x+18

▼各項を分解(赤字が共通因数)
6x 2,3,x
18 2,3,3

▼共通因数でくくる
6(x+3)

定数項が含まれている式を因数分解する場合も、定数項に文字がないだけで解き方は基本と同じです。

項が3つある場合

5ax+10bx+15cx

▼各項を分解(赤字が共通因数)
5ax 5,a,x
10bx 2,5,b,x
15cx 3,5,c,x

▼共通因数でくくる
5x(a+2b+3c)

項が3つ、もしくはそれ以上あっても考え方は同じです。すべての項で共通する数字や文字を抜き出してまとめます。

係数がマイナスの場合

2x3-6x

▼各項を分解(赤字が共通因数)
2x3 2,x,x,x
-6x -1,2,3,x

▼共通因数でくくる
2x(x2-3)

係数がマイナスの項の場合、分解した数字に-1を付けます。

-3x2-9x

▼各項を分解(赤字が共通因数)
-3x2 -1,3,x,x
-9x -1,3,3,x

▼共通因数でくくる
-3x(x+3)

マイナス係数がすべての項にある場合、-1も共通因数として抜き出します。-1を抜き出すのでカッコ内の符号がプラスになる点に注意してください。

この方法で解く判断基準

いくつも因数分解の解き方があるなかで、この「共通因数でくくる」方法はどういう時に使えばいいかというのを解説します。

判断基準は簡単で、式の各項を分解し全ての項で共通の数字や文字がある場合にこの方法で因数分解をおこないます。

▼共通因数でくくれる式
ax+bx
2x+2
x2+2x
9x-6y+3z

▼共通因数でくくれない式
a+b
3x-2
y2+5x
x2-2x+2

高度な因数分解になると式を部分的に共通因数でくくるという方法も出てきますが、この時点では全ての項で共通因数があるのかという判断で構いません。

練習問題

3x+3

▼各項を分解
3x 3,x
3 3

▼共通因数をくくる
3(x+1)

※項のすべてが共通因数の場合、1が残ります

4ab+8b

▼各項を分解
4ab 2,2,a,b
8b 2,2,2,b

▼共通因数をくくる
4b(a+2)

5-15x

▼各項を分解
5 5
-15x -1,3,5,x

▼共通因数をくくる
5(1-3x)

10x3-5x2+20x

▼各項を分解
10x3 2,5,x,x,x
-5x2 -1,5,x,x
20x 2,2,5,x

▼共通因数をくくる
5x(2x2-x+4)