置き換えを使う

式を部分的に文字に置き換え、共通因数や公式を使ったあとに置き換えた部分を元に戻すという因数分解の方法です。

置き換え+基本の因数分解

置き換えを使った因数分解は、因数分解の基本の解き方(共通因数・公式)と組み合わせて使います。

置き換えて共通因数

a(x+3)+b(x+3)

▼(x+3)をAに置き換える
aA+bA

▼共通因数でくくる
A(a+b)

Aを(x+3)に戻す
(x+3)(a+b)

(x+3)が2箇所あるので同じAに置き換えます。置き換えるとAを共通因数としてまとめることができ、Aを(x+3)に戻して因数分解完了となります。

置き換えて公式1

(x+y)2+5(x+y)+6

▼(x+y)をAに置き換える
A2+5A+6

▼公式1
(A+2)(A+3)

Aを(x+y)に戻す
(x+y+2)(x+y+3)

(x+y)をAに置き換えると公式1が適用できる形になります。公式1で変形した式のAを(x+y)に戻します。

置き換えて公式2

(x+y)2+6(x+y)+9

▼(x+y)をAに置き換える
A2+6A+9

▼公式2
(A+3)2

Aを(x+y)に戻す
(x+y+3)2

流れは公式1と同じです。置き換えると公式2が適用できる形になるので、公式2で変形した式から置き換えた文字を戻します。

置き換えて公式3

(2x+3)2-(x+6)2

▼(2x+3)をA、(x+6)をBに置き換える
A2-B2

▼公式3
(A+B)(A-B)

Aを(2x+3)、Bを(x+6)に戻す
(2x+3+x+6)(2x+3-(x+6))
(2x+3+x+6)(2x+3-x-6)
※Bの前にマイナスがあったので分配法則によってカッコ内の符号が変わる点に注意

▼同類項を計算
(3x+9)(x-3)

この例では置き換える対象が異なるため、(2x+3)をA、(x+6)をBに置き換えています。置き換えると公式3が適用できる形になり式が変形できます。

そして置き換えた文字を元に戻すのですが、ここでBの前にマイナスがある箇所がある点に注意です。カッコ前にマイナスがある場合はカッコをはずす際にカッコ内にある項の符号が変わります。

もう1点注意したいのは、同類項は足し算や引き算ができますので、同類項がある場合は計算までしっかりおこって因数分解が完了ということになります。

練習問題

a(x+y)-3(x+y)

▼置き換え
aA-3A

▼共通因数でくくる
A(a-3)

▼置き換えた文字を戻す
(x+y)(a-3)

(x-3)2-2(x-3)-8

▼置き換え
A2-2A-8

▼公式1
(A-4)(A+2)

▼置き換えた文字を戻す
(x-3-4)(x-3+2)

▼同類項の計算
(x-7)(x-1)

(x+2)2-10(x+2)+25

▼置き換え
A2-10A+25

▼公式2
(A-5)2

▼置き換えた文字を戻す
(x+2-5)2

▼同類項の計算
(x-3)2

(x+y)2-(a+b)2

▼置き換え
A2-B2

▼公式3
(A+B)(A-B)

▼置き換えた文字を戻す
(x+y+a+b)(x+y-(a+b))
(x+y+a+b)(x+y-a-b)